ハウスワイフ2.0(自称)が「ハウスワイフ2.0」を読んで怒る!(その2)書評も解説も「???」」からの続きです。

「ハウスワイフ2.0の条件」として、著者エミリー・マッチャーは以下の四つを挙げています。

1.夫にも手作り家事に参加してもらう

2.経済的自立を大切にする

3.ほどほど恵まれている中流階級だと自覚する

4.社会全体の利益を考える

 

「ハウスワイフ2.0の条件」にあてはまる主婦は登場しているのか?

この内容自体の是非はさておき、「ハウスワイフ2.0」内に、この内容に当てはまる人物はほとんど登場しません。

だからこそ、主婦の取材を重ねて、どう締めるか困った著者が、最終章でこの条件を提示しているわけです。

つまりこれは、実在する「ハウスワイフ2.0」のモデルではなく、「著者が夢見るハウスワイフ2.0の完成形はこれ!」っていうことなんですね。

 

「ブログで発信する主婦」の正体は・・・

「ハウスワイフ2.0」では、「ブログで主張する」を新しい主婦の姿として取り上げています。

著者エミリー・マッチャーは、ネット上で素敵な主婦のブログを発見し、それに憧れたことが本書をまとめるきっかけになった様子です。

でも、それらのブログにはウラがあるのです。
それらのブログ主の多くは、「ハウスワイフ2.0」でクローズアップされている、高学歴で選択的に離職し、自然な生活をする・・・という主婦ではないということ。

実は彼女たちはモルモン教徒(きわめて保守的なキリスト教の一派。多産で家族主義)で、教会から布教の一環としてブログをつけるよう指示されているのです。

著者自身も最後にこう気づいたことを告白しています。

主婦ブログのファンなら、こんな経験があるのでは?
あなたは夢の世界のような主婦ブログが大好きで、そこにアップされているヴィンテージ風のティーセットや、ストライプのレッグウォーマーを穿いたかわいい赤ちゃんの写真をうっとり眺めて過ごしていた。

ところが、そのブログの過去記事に目を通していくと、あることに気づく。ブロガーがやけに若いのだ。二十九歳で四人も子供がいる。

(中略)

そこで、ああ、なるほどと気づくことになる。そういえば、アップされた写真にモルモン教の会堂がさりげなく写り込んでいて(中略)、リンクをクリックすると、モルモン教のサイトに飛んでいく。
(「ハウスワイフ2.0」 249ページより引用)

まあ、モルモン教徒のブロガー主婦に以下のように語らせているわけですが、ちょっとこじつけすぎな気がするのです。

「いままでは、外で働く能力がないから専業主婦になるしかないと、女性自身が感じてる場合もあったけど、これからは胸を張っていられる。家事をしっかりこなして、家庭を守るのは、女性のりっぱな役目だと堂々と言える時代になったのよ。」
(「ハウスワイフ2.0」252ページより引用)

 

ブロガーの多くがモルモン教徒だとするならば、「ハウスワイフ2.0」の論旨は破綻しています。

「その4」に続きます。